今後のお知らせ

 

ヒトと動物の関係学会 第60回月例会
『オランウータンと人との関係-野生と動物園-』
日時 2008/4/26(土)14:00~16:00
演者 黒鳥英俊(多摩動物園)
参加費 500円
場所 東京大学農学部 7号館A棟104号教室
お問い合わせ ヒトと動物の関係学会事務局
〒409-0193 
山梨県上野原市八ツ沢 2525 帝京科学大学 理工学部 アニマル・サイエンス学科
TEL & FAX 0554-63-6957 E-mail:hars-info@hars.gr.jp

 

ヒトと動物の関係学会 第61回月例会
『シエラレオネにおけるヒトとチンパンジーの関わり:先進国が与えた影響』
日時 2008/6/28(土)14:00~16:00
演者 樺沢麻美(京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域専攻)
参加費 500円
場所 東京大学農学部 7号館A棟104号教室
内容

 先進国においてチンパンジーは動物園やテレビなどのメディアをとおして、一般によく知られている。「ヒトにもっとも近い動物」として、その生態、行動、認知、またヒトとチンパンジーの進化における関係、なども野生での観察や飼育下において研究が進められいる。近年ではチンパンジーを使った動物実験が廃止される傾向にあり、他の大型類人猿とともにその「権利」が議論されることもある。また絶滅危惧種であるため、熱帯雨林や環境保全全般に対する意識を高めるための「森林からの代表」として掲げられることもある。しかし、その生息地にすむ人々にとってチンパンジーがどのような存在であるか、また先進国のチンパジー観が生息地にもたらした影響について語られることは少ない。本発表はチンパンジーが生息する西アフリカの1国、シエラレオネを事例に現地のチンパジー観と保全の問題について考察する。

 チンパジーと隣り合わせに住むシエラレオネの人々にとって、時にチンパンジーは農作物を荒らす害獣であり、また食用や伝統医療に使用される自然資源でもある。そこで語られる多くの伝説や逸話はヒトと近い存在、または似た特性を多く持つ動物であることを示している。ある民族の一部の地域では呪術的な意味合いの中で、危険な動物として扱われることもある。また近年では「絶滅危惧種」として、国際的支援のもとに保全活動も行われているが、それに対する人々の考えも多様である。

 1950年代から80年代初頭にかけて、主に医療実験のために多くのチンパジーが先進国に輸入され、輸出国であった西アフリカのシエラレオネでは、「生きたコドモのチンパンジー」が多く取引される用になった。国際的な取引が規制された後も、それはシエラレオネ国内で違法ペット取引という形で問題を残している。そしてその取引には外国人の存在が深く関係している。そのペット取引を取り締まることで、没収されたチンパンジーを保護する「サンクチュアリ」という施設が1995年に設立され、現在では90個体のチンパンジーが保護されている。サンクチュアリではチンパンジーペット問題と取り組む傍ら、野生個体保全の活動も行っている。

 2006年4月、同施設で31個体のチンパンジーが脱走し、シエラレオネ人2人を殺傷してしまうという事件があった。事件発生直後の国内外のメディアでは事件について過剰な表現が見られ、サンクチュアリの活動や、また野生個体保全に対する現地住民の反感が懸念された。しかし、実際の現地政府、一般市民、サンクチュアリ近隣の住民の反応は冷静であり、またサンクチュアリのチンパンジーの捜索活動にも非常に協力的であった。結果、事件発生から半年で27個体が無事にサンクチュアリに戻った。残りの4個体について確認はされていないが、生存している可能性は高い。

 発表者はサンクチュアリの活動に2001年から4年間従事し、2006年の事件発生直後と半年後に現地を訪れて、事件の経過、サンクチュアリの対応、現地の人々の事件に対する反応やチンパジーという動物に対する考えを調査した。実際に起きたチンパンジーによる殺傷事件は、シエラレオネにおける人々とチンパンジーの関わりの一面を浮き彫りにした。これは人と野生動物の共生と野生動物の保全を考える上でも興味深い事例である。

お問い合わせ ヒトと動物の関係学会事務局
〒409-0193 
山梨県上野原市八ツ沢 2525 帝京科学大学 理工学部 アニマル・サイエンス学科
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今後の予定 当学会の今後の主な活動になります。これらは日程、時間、場所ともに変更することがございますのでご留意下さい。詳細が決定次第 上段でお知らせいたします。

               



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